今朝たまったミニコミを整理しながらパラパラ拾い読みしていたら、こんな記事が目についた。以下は「自衛隊の実態」その8(「市民の意見」No.101)から。(風)
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自衛隊の自殺問題から見えるもの
イラクに派遣された自衛官から自殺者が出ている。公表されている限りでは、陸自で6人、空自で1人。防衛庁が発表した05年度の自衛隊員自殺者数は47人。人口10万人あたりに換算すると38.6人となる。20歳から59歳までの一般男性の同43.3人よりは少ないが、イラク派遣隊員に限れば数値は88.6人に跳ね上がる(『週刊ポスト』2月2日号)という。
自衛官の自殺問題が深刻化していることは、以前から指摘されていた。「1995年から10年間では、自衛隊全体での自殺者は673人をかぞえる。年平均67人強、かってない水準である」。「2004年度の自衛官の自殺者は、過去最高の94人となった。」
急増する自殺はいじめや隊内暴力だけでなく、近年の市街地戦闘訓練や至近距離戦闘訓練が隊員にもたらす精神的、心理的負担による「異常な戦場心理状態」が原因といわれている(小西誠「自衛隊トランスフォーメイション」2006年7月刊より)。(略)
陸自の派遣先が「非戦闘地域」ではなかったという問題とともに、「平和協力」の段階で(実際は米軍への後方支援あり)、しかも下士官以上の階級者にPTSDが生じたことについては、防衛省・自衛隊に多少戸惑いがかいま見られる。(略)
問題はさらに広がる。……PTSDが集団で外に向って発生した場合、虐殺事件をひき起こす可能性がある。イラクでは、米軍人による捕虜の虐待が大きな問題になったが、最近では05年11月、西部ハディサで、エリート部隊といわれた米海兵隊「キロ中隊」が民間人24人を虐殺したのではとの疑惑が持ち上がっている。
戦場の恐怖から逃れるための麻薬・覚せい剤問題も懸念されている。すでに自衛隊基地や艦船では覚せい剤汚染が生じている。
極めつけは、自衛隊が最も求めている名誉の問題である。現職自衛官にたいする勲章授与と恩給制度の確立、そしてその先には、靖国問題が見えてくる。(T)